有益という言葉の無意味
映像作家の友人が毎年ドイツから私に会いに来てくれます。
私はまだ無名のいち学生に過ぎないというのに、今年も会いに来てくれました。
彼は明日ドイツに帰るそうです。
半分くらいしか言葉が伝わらないのに彼と語るのが心地いいのは、
きっと彼に損得の感情がないから。人を見定めようという鋭さがないから。
無名とか、有名とか関係なく。有益とか、無益とか関係なく、会いたいから、会いたい人に会う。
本当はきっとそれが自然な状態で、
だからこそ、彼の存在は自然にスッと私の中に馴染んでいくのです。